座談会 インターモーダルとITS(No.8)
携帯電話と位置特定


○赤羽委員長 例えば汎用メディアである携帯電話にGPSなどによる位置同定機能を実装して、携帯電話を持っている人がどこにいるかを前提にいろいろな情報をサービスするようになるそうですね。それから、GPSは屋内では使えないのですが、屋内でも10mぐらい精度で位置が同定できるような技術が開発されたそうですね。

○荻野 何かこう、複数の局からの差とか何かいうやつですか。

○赤羽委員長 そうです。電界強度に基づいていわゆる三角測量をするときに、どの基地局を使うかを最適化するのだそうです。
 そうすると、鉄道側が鉄道専用のシステムを整備しなくても、あるいは鉄道のサービスを受けるために専用端末を利用者が買わなくても、サービスを受けるための汎用端末を誰もが持っているという状況が実現する時期が、そんなに遠くはないのではないかと期待しています。それを鉄道も使う、道路も使うということになれば、今おっしゃったようなことが可能になるわけですね。

○荻野 そうですね。それがあれば物すごくあれなんじゃないでしょうか。我々としては、やはり位置を10mぐらいで同定するには特殊なアンテナを張りめぐらさないといけないだろうという発想がありましたから。だからブルートゥ−スとかそういうものを使って、アンテナをいっぱい置いて、どこにいるかというのをやろうと。
 もう一つは、今、車内で携帯電話を切ってくれという話がありますよね。ペースメーカーに関してはかなり論争があるみたいなんですけど、我々の中では一つの導入しやすい方法として、ブルートゥ−スにしても、いわゆるローカルの微弱電波ですから、それは余りペースメーカーには影響ないだろう。そうしたら、そういう携帯電話を使っちゃいけないようなエリアに入ったら強制的に携帯電話機能は切り、通話は出来なくする、その代わり微弱電波を利用したデータコミュニケーションはしっかり保証する。そういうようなことも含めて、一切合切いろいろなことをやりましょうと。位置もやるし、そういうこともちゃんと面倒見るし、そんな格好でできないだろうかということも考えていることは考えているんですけど。
 ただ、赤羽先生がおっしゃったように一般のもので10mぐらいの精度で位置がわかれば、非常に良いと思います。プライバシーの問題を解決するのが難しいと思いますけど。

○赤羽委員長 先日も、携帯電話の表示画面にバーコードを表示させてスキャンするとことによってチケットを買った人かどうかがわかるという、チケットレス・システムの実験やっていましたね。そういう形式かどうかはわからないですけど、携帯電話を持っていれば自動改札をすっと通れる、通っただけで課金される、そういうことも可能になるのでしょうね。
 今は、クレジットカードを何枚も持たなければ用が足せないとか、東京ではJRのイオカードと私鉄のパスネットとか、みんな違うので何枚もカードが必要で困りますよね。その面でも、何か1つ端末を持っていればいろいろなサービスを受けられるというのは望ましいと思います。

○荻野 そうですね。それは、やはり皆様の要求なんじゃないでしょうか。皆さんそんなたくさん持ちたくないし、1個だけなら割とうっかりしないじゃないですか。なくしたらすぐわかるし。沢山あるからわからなくなっちゃうんですよね。

○赤羽委員長 そうですね。それから携帯電話のペースメーカーに対する影響には、現状では配慮せざるを得ないでしょうね。ペースメーカー自体、昨今のようにモバイル通信が一般化することを想定していなかったのではかと思います。もしかすると、これからのペースメーカーは電磁シールドがより強化される可能性があるかもしれませんね。

○荻野 そういうことは聞いたことあります。実際には影響があるのかどうか、かなり……。ただ、疑わしきはということで。

○赤羽委員長 そういうことでしょうね。現状では、それはもうしようがないですよね。

○荻野 ただ、車内でやはりベラベラしゃべられるのは余り。(笑)

○赤羽委員長 あ、それはありますよね。
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