座談会 インターモーダルとITS(No.17)
情報提供とサードパーティ3



○本多 リファレンスモデル自体も、要求が変われば少しずつ変えていかなきゃいけないんで、それを柔軟に受け入れる体質をつくるというところが難しいんですね。

○羽藤 ただここで重要な点は、現時点で持っているデータベースの中に占める官が持っているデータの率が高いっていうことかもしれません。インターネットが90年代になって発生してきて、今、個人個人がウエブ上で、情報を発信しているけれど、それとは違うんですよね。その1点が、やはりちょっと気になります。

○赤羽委員長 それはデメリットの面もあるのですが、メリットの面もあるんですよ。例えば、民間が何かやり始めるときに、1から情報を集めなければいけないというと、それなりに投資が必要です。もし官の持っている情報が民間にもオープンになったら、そこから始められるでしょう。それに何かプラスαするというところからです。

○羽藤 官がオープンになれば、ですね。

○赤羽委員長 ええ。だから、官の情報をオープンにする。

○羽藤 ということは、官が今持っている情報をオープンにするには、サードパーティがどういう利用の仕方をするのかをある程度考えた上で、標準化というか、オブジェクトをきちんと定義して、インターオペラビリティを確保しておくことで初めて公共交通機関と車の情報提供をしてやろうという。

○赤羽委員長 そういう使い方が可能になる。

○羽藤 でも、そのデータは行政が持っていて、現時点では、それをプラットホームにして個人のデータをどう重ねていくか、そこがポイントではないでしょうか。個人のデータベースだけで十分な情報提供がなせるようだと、もうそこから草の根で始めていっていいんです。だけど、今は実際そうはいかない。
 IPV-6っていうプロジェクトがあります。車にIPアドレスを全部割り当てちゃうというような話です。これ、例えばこっちからpingでポンと6桁のIPをうつと車の速度がパンと返ってくるわけです。スゴク恐ろしいですよね。感知器だとか、AVIとか要らなくなっちゃうかもしれない。ということは、ひょっとしたら一気に草の根からかわっちゃう可能性もある。ちょっと二転三転してしまいますが、国が音頭をとるのか、そんなのお構いなしで草の根でいくのか。そのあたりわからない所ではあります。

○吉開 情報の扱いの難しさだと思うんですけど、なぜ情報が大事かというと、希少性があるからですよね。今、あるのはわかっていても、みんなが持っていないから欲しい、欲しいと言っているわけでしょう。それがみんな公開になって誰もが使えるようになったら、多分そこではもう商売にならないんですよ。価格がどんどん下がるんです。いや、それはそれでいいことだと思うんですよ。ただ、問題はプライバシーとかね、守らなきゃいけないところをどう押さえるか。これはちょっと問題が複雑になるから置いておくとして、ただ、希少性がない、みんなが使えるような情報があったとして、どんなことができるのかというところを考えるべきであって、誰がどうやって集めるかなんていうのは、僕はもう議論の余地ないと思うんですよ。
 つまり、ブロードバンドとユビキタスの世界になるんじゃないかなんて結論めいたことを、我々は独断でそう思っているんですけれども、多分携帯で集めるというやり方だって皆さん議論されたようにありますし、VICS系のあれだってどんどん上げられるわけですよね。そうやって集まった情報が、もう公開されている。その上でどうすればいいか、あるいはそういう公開の環境を整えるのにどうすればいいか。例えば、リナックスの話が出ましたけれども、何で一文にもならないソフトの開発にみんなが参加したのか。

○赤羽委員長 お金だけではないですね。

○吉開 金じゃないんですよ。要するに満足感、それからパイオニア精神、それプラス、でも企業も参加しているわけです。なぜかといったら、公開になったソフトを使って付加価値をつけることによって、ビジネスになるからなんですよ。だから、希少価値がなくなったODデータとか何かいろいろあるでしょうけれども、多分、そこだけではもうビジネスにならなくて、そのデータに何か付加価値をつけて商売に結びつける。そこで僕はもう有意差が出てくると思うんですよね。それができるのは官でもなければ草の根でもなくて、本当にサードパーティ的なビジネスをやる人たちになるんじゃないかと思いますけどね。

○羽藤 最後のところは、そういう人たちの力なんですが、プラットホームのところ、データベースそのものっていうのはやはりユニバーサルサービスではないでしょうか。それが特定のビジネスを目指したものじゃなくて、基本的なものとしてあるんですよね。それがユニバーサルサービスとして存在したときに初めて、それを使っていろいろなものが出てくる。ただ、そのプラットホームのところが、僕の印象だと今はまだオープンになっていない。
 ただ、個人ベースでデータがどんどん出てくるようになって、そこで出てきたものの方が多分、急速にウエートが増していくとすると、何かうまい仕組みさえあればもうそれを束ねてる仕組みを作って、サードパーティがどんどん楽しいアプリケーションつくっていくということになるのかもしれないですね。
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