座談会 インターモーダルとITS(No.20)
情報公開とビジネスモデル3


○羽藤 一番最初、我々の委員会で、交通工学とか土木計画におけるデータの使われ方を整理しました。あれは、我々のビジネスプロセスの分解だったんです。ビジネスプロセスを分解すると、オブジェクトをどう定義したらいいかというのがわかってくる。それでインターオペラビリティが確保されるような形でデータが提供できる、そういうふうになっていくんです。では、インターモーダリティと言ったときに、それぞれ車両の情報とか、あるいは鉄道とかの情報が、管制センターとかそういうところでどういう使い方をされているのかというところが1つはあります。それでデータを定義する。
 2つ目は、やはり利用者側がどう使うのかというのがあると思う。前者の方は、多分何となく定義はできるんだけど、後者の方がやっぱりどうもセンスがないんじゃないかな。難しいんだけど。

○本多 現実には、一般の人がどう使うかそう簡単には決められないですよね。ニーズによってどんどん一般の使い方というのは変わってきますから、余りそれにとらわれてこういうモデルを考え始めると、先へ進まなくなるんじゃないかという気がします。

 今の交通管制センターなんかでやっているようなものを一つのベースにして、それで一つのモデルをつくってしまったら、もうそれでボンと出してやってしまえばいいんじゃないかと思うのですが。

○羽藤 それができていないということですか。そうかもしれない。

○本多 うまく情報を出せないのは、官の中でも充分な情報共有ができていないためじゃないでしょうか?この前、初めて県警のデータが全国で共通に使えるようになったとテレビで言っていましたけど、こんなこと今ごろできたの?という気がしますよね。

○羽藤 僕のもオフレコですけど、例えば計画系の部署と管制系の部署があったら、その管制部で上がってきたデータを計画部は全然使えなかったりするんですよね。

○赤羽委員長 それ普通。全然オフレコじゃない。(笑)

○羽藤 ありますよね。だから、出力された帳票レベルでしか使えない。

○赤羽委員長 そんなの、もう全然驚くに値しない。(笑)

○羽藤 同じ機関の中でインターオペラビリティが確保されていないということがあります。

○赤羽委員長 みんなもとは税金で集めたり通行料金で集めたりしているのに、自分たちのセクションで集めたら自分たちのものだと錯覚してしまうんですね。
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