Re3: 限定合理性に基づく行動モデルが必要?

by Eiji HATO Date: Sat, 3 Apr 1999 21:05:48

羽藤@愛媛大です。

今日の松山は気持ちのいい晴れの日でした。 実験で一日研究室に拘束されてがっくりです。

道路ネットワーク・システム全体として、情報提供の結果、 何がおこるかといえば、利用割合の向上とともに、ネットワ ークの所要時間がハンチング現象をおこし、その分散が大 きくなります。

ある経路が早いというメッセージが提供されると、その経路 に需要が集中し、メッセージが更新されるまで混雑が続き、 次に別の経路が混んでいるという新しいメッセージが提供 されると、またその経路に需要が集中する。

こうした現象が繰り返されることで、ネットワークの所要時間 は短時間で大きく変動し、分散が大きくなるといわれていま す。

こうした現象は、ドライバーの情報に対する反応の積み重ね の結果おこるわけですが、ひとりひとりのドライバーの行動を 正確に予測し、出発時刻時点での経路選択の意思決定に 役立つ正確な交通情報を提供することはなかなか困難とい わざるを得ません(1-1、1-2)。

そうすると、交通情報提供には価値がないのか?といった疑問 も湧いてくるわけです。。情報提供は不確実性を増大させる?? ネットワーク・システムを不安定にさせるだけ??

赤松さんの問題提起はこのあたりにあるのかなぁと思います が、いかがでしょう。。

しかし、ここで重要なことは、所要時間の精度が低くなれば、 情報の効用も低下するということです。ドライバーの考える所 要時間の分散よりも情報の精度が高ければ、情報は利用さ れますが、そうでなければ利用されません。

情報の精度等の要因で表現される情報獲得効用が情報の 購入価格や抵抗で表現されるある閾値を越えたときにドライ バーは情報を利用するわけで、そうすると利用割合は市場 においてそこそこの点で均衡することになります。ということは 情報の価値がなくなるわけではなく、システムの不安定さも 予測可能な範囲で落ち着く??

うーんちょっと違う気もしますが、 まぁいいかと ご批判を期待します。

あと、わたしはやっぱり、 ネットワーク・システムそのものがどれくらい不安定なのか? (旅行時間がどれくらい変動しているのか?) で、そうした旅行時間の変動の予測はどれくらいのレベルで可能なのか?

というのが興味あります。 ここらへんのハナシが現状の交通情報サービスの価値を量る 上で重要でしょうし、この議論をして情報に価値がないようなら、 交通情報サービス会社なんてやっていけないと考えるからです。 で、交通情報会社がやってけないなら、こうした議論は無意味 なわけで.......

どなたかご存知ありませんか?

1-1)ただし走行中の逐次的な情報提供ならハナシは別です。 オンラインの検知機(関西用語です)情報を使うことで、アシ の短いトリップであればかなりの精度で予測が可能では? こうした情報は利用割合が高くなっても意思決定の不確実 性の低減に役立つと考えます。

1-2)利用者の行動を予測できるかという問題は、うーん厳しい。。 でもきちんとやってけば、少なくと今のモデルよりも予測精度は確実 にあがるはず。特に情報提供下の経路選択行動については、従来の モデルフレームワークで不十分なことは明らかですし、ネットワーク・ システムの評価可能なレベルでも、もう少し記述的なモデルがあって いいんじゃないかと考えます。 以上です。

この意見に関しての意見は jste@super.win.ne.jp へお寄せ下さい。


Copywrited by Japan Society of Traffic Engineers