5 カーナビの見方を教育する時代が来る

○倉沢 ROMなしカーナビ注(7)や携帯電話などの情報を受取るためには,一般の人にカーナビなどの見方を勉強してもらう必要が出てくると思います.よく紙メディアの偉大さが議論されますが,紙メディアの読み方を我々は小学校から習いますので,例えばカーナビの見方を自動車学校で勉強する必要があるでしょう.ザウルス文庫やザウルス漫画注(8)が出て来てはいますが,紙の一覧性と携帯性とこれだけ活字がぎっしり入る濃縮度というものに対しては,(変な言い方ですけれども)敬意を払った方がいいと思います.ITSの文脈の中でも紙メディアをどう使うかは非常に大事でしょうから,車の中にも平面の空間は必要なのでしょう.
 また政府の情報室調査では,情報ソフトに対して払うお金は「家計」となっていて,「お小遣い」で調査したことはないのだそうです.そこで私共は情報ソフトに対して「お小遣い」を幾ら払っているかを調べました.今回で2回目の調査なのですが,一言で言いますと実は「携帯電話倒れ」を起こしています.携帯電話とせいぜいインターネット,要するにコミュニケーションツールに対して多額のお金が取られています.人の顔が見える双方向のコンテンツにはお金を払いますが,一方向の情報ツールに払うお金にはなんとなく限界があるようです.そこでお小遣いに占める情報支出,特に携帯電話の割合というものが若者ほどパンクしている.既に赤字でこれ以上払わせられない一方で,先ほどのi-modeのATISの話のように,やっぱり「(携帯電話という)もの」を持っていれば100円でも200円でも何となく払ってしまう可能性もあるわけで,メディアビジネスとしてのITSの可能性をよく考える必要があります.

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