24 お客様第一の交通計画へ

○赤羽 私たち交通分野でも,世の中にはいろいろな人がいて,その人に対して個々にどんな交通情報が役に立つのか,という視点はなかったですね.

○中島 そうですか.

○森川 そうですね,いきなり計算の世界に入っていきます.

○赤羽 通常はトータルでこの区間に何台いるので渋滞が起こるかどうかという程度の情報であって,どこからどこに向かう車両がどれだけいるかという情報は,たとえば5年に1度しか集めていません.きちんとした情報が,5年に1度のある平日のものしか集められていない.でも,本当はそれは曜日とか天候によっていろいろと違うはずです.そういう情報はほとんどなかったのです.

○倉沢 多分受け手側は統計情報も欲しいとは思います.そういう統計情報と,あとは流動的な,だけど信用に足るかどうかわからない情報と両方があって,どれをどれだけ信じるかは受け手にお任せするようなITSの世界になれば,受け手にとって一番気持ちいいでしょう.

○赤羽 そういうことを考えられる技術的な背景がやっと出てきて,でも使い方を考えなければいけないと言われると,今まで考えたことないから困ってしまうような面もあるわけです.

○森川 多分,土木/交通の分野でこのような議論をしているのは,このITS研究委員会くらいかもしれません.非常に少数派なのですが,これからもっと広めていかないといけないでしょう.

○赤羽 要するに,一般利用者あるいは消費者市場と私たちの交通の分野は直接つながっていなくて,行政を介してしか繋がっていなかったのです.

○中島 ITSが役に立って利用者が満足できるというのは,交通警察の方にとってもたいへんに望ましいわけですから,そうした市民の満足のためのITSという意識を持ってもらえるといいですね.

○赤羽委員長 ですから,例えば愛知万博の交通分野でそういう部分を示せるのではないかと思っております.
 今日は長い時間どうもありがとうございました.

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