第6回ITS研究委員会議事録
(11.May. 1998, 18:00〜20:30)

● 交通信号制御における情報の流れについて

F; 「遅れ時間」の算出方法は現在では推定計算だが、将来は遅れ時間を直接計測して,広域制御/各交差点制御に利用できる。これらのデータは現在のところ車両感知器による「点」の収集だが、将来はビーコンにより「線」の情報収集にかわり、OD情報が得られるようになる。

B; 収集情報は「信号制御」のみに利用されているのではなく、他の分野に(から)提供されるものがあるのではないか? たとえば、動的経路誘導では、同じ収集情報を提供する。これらの情報を考えるために次のような情報の分類も考えられる。

  • 制御を行っていく上に必要な情報<
  • 制御によって得られる情報

C; 信号制御の目的(関数)は何か?

B; 円滑が目的関数、例えば待ち時間(遅れ時間)の最小化などである.安全はむしろ制約条件と考えられる。

D; ITS時代は,目的がもっと増えると考えられる,または目的が変わりうるのではないか?

A; 「制御」というのは受け身のイメージに思える。もっと能動的なイメージがあってもいいのではないか? たとえば、名古屋では出会い頭事故を減らすために点滅式信号を止めることが行われているが、ITSなら点滅を無視する車両に能動的に働きかけることも可能ではないか?

C; 車両制御技術とリンクしていくといろいろできることが広がる。たとえば、時差現示でつられて出てくる車両を動き出さないように制御するようなことができるだろう。

A; 公共交通車両優先の制御は既に行われている。名古屋のバス専用レーンでは,違反車両のナンバーを読み取って警告表示を出している.将来は(車両制御技術とリンクして)もっと能動的な働きかけができると思う。

● 運用管理・交通計画の情報の流れについて

D; 運用管理・交通計画に関係した具体的な試みとして、「蓄積処理+静的情報の一部の個人属性情報」によりPT調査を代替する等が考えられる。

A; こうした新たな枠組みの提案については,運用管理・交通計画の情報の流れとは別に,個別の具体的な提言を示す必要がある。

B; 実時間情報を扱う運用管理と蓄積情報が主体の交通計画との間の「交通工学分野」こそが,将来技術のコアになるのではないか?

C; 「交通工学分野」の枠は,「交通工学的分野の観点から切り分けられたデータベース」と考えられる。

B; 「交通シミュレーション」の部分は,モデルの世界と実現象との橋渡しの技術を意味すると考えられる。こうした概念としては「政策的な判断」,「現場工学的な手法」...などが考えられないか?

● ITS情報の蓄積処理のフローについて

E; 「環境対策」・「交通安全対策」などの個別業務と交通とのインタフェースの部分を明らかにすることが必要ではないか

C; 運用管理・交通計画の情報の流れは情報屋さん向け、ITS情報の蓄積処理のフローのような分野別の流れ(フローチャート)は交通工学分野の人向けの説明で、この2つは整合している必要はある.

(第6回了)




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