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〜 編集のことば 〜

 本書は、渋滞対策に悩む人々に交通需要マネジメント(TDM)をどのように活用できるのかを、具体例によって説明したものである。 交通需要マネジメントは何のためにどのように実施されているのか。実施に際しての工夫はどこにあったのか。誰が主体となって実施したのか。これらの疑問に答えるために、TDMモデル都市とベストプラクティスを選定し、担当者へのヒアリングを実施し、簡潔にその要点を説明した。また、これらの知見と研究会の議論を基に、交通需要マネジメントの実施手順と実施上のポイントについても整理した。
 わが国において、効果的な交通需要マネジメントを定着させるためには、経験的に蓄積されるノウハウを収集し、相互交換する仕組みが重要である。本書はその第一歩である。交通計画を立案し実施する専門家をはじめ、交通事業者、商工会議所、道路利用者など、できる限り多くの人々にお読みいただき、情報交換の輪を広げていきたい。

((社)交通工学研究会・交通需要マネジメント研究会 委員長 原田 昇)

執筆者(五十音順)
赤羽 弘和(千葉工業大学土木工学科)  一瀬 圭一(警察庁都市交通対策課)
今西 芳一((株)公共計画研究所)  椎名 康雄(警視庁都市交通対策課)
高橋 勝美((財)計量計画研究所)  中村 文彦(横浜国立大学建設学科)
羽藤 英二(愛媛大学建設工学科)  原田  昇(東京大学大学院都市工学専攻)
兵藤 哲朗(東京商船大学流通管理工学講座)  平石 浩之((株)日本能率協会総合研究所)
本田 武志(建設省都市局都市交通調査室)  牧村 和彦((財)計量計画研究所)
森山 誠二(建設省道路局道路経済調査室)    


−目 次−
 第1章 この本を読むにあたって
   1-1.本書を読み始めるあなたに
   1-2.本書の構成

 第2章 効果的なTDM実施のためのポイント 

 第3章 目指せモデル都市
   3-1.目指せモデル都市
   3-2.モデル都市の紹介

 第4章 ベストプラクティスに学ぶ
   4-1.ベストプラクティスに学ぶ
   4-2.ベストプラクティス集

 付 録 TDMの基礎知識
   1.TDMの背景
   2.TDMを含む新しい交通政策の方向
   3.TDM施策の種類と代表施策
   4.TDMに関するマニュアル・事例集紹介
   5.TDM用語集

 

〜推薦のことば〜

越 正毅(社団法人 交通工学研究会 会長)
 本書は、交通工学研究会に自主研究会として設置した、交通需要マネジメント研究会(TDM研究会)によるTDM実施の解説書です。代表の原田昇(東京大学)をはじめ、大学研究者四名、交通行政担当者(警察庁、建設省都市局・道路局、警視庁)四名、コンサルタント四名の委員がTDM担当者に実施のプロセス等を積極的にヒアリングし、活発に議論した成果です。 渋滞緩和に交通需要マネジメントをどのように活用するかを、TDMモデル都市やTDMベストプラクティスの事例を中心に説明しています。模範的な適用手順と工夫するべきポイントの整理も魅力的です。交通工学研究会に相応しく、複数省庁の横断的課題について、大学、行政、民間の委員が協力して、経験的に蓄積されたノウハウを整理したものとなっています。具体的な適用事例の説明は、TDMの実施を考える際に大変に参考となります。混雑緩和に挑戦する多くの方々に一読していただきたい実践的テキストです。

玉造 敏夫(警察庁 交通局長)
 近年、都市部においては、交通需要の増加に対応した交通容量の拡大を図ることが困難であることから、交通渋滞、交通公害対策として、交通需要そのものを軽減し、又は平準化する交通需要マネジメント(TDM)の手法が注目されています。
 今般、交通工学研究会から発行の運びとなった「渋滞緩和の知恵袋〜TDMモデル都市・ベストプラクティス集」は、これまでに先進的な都市において取り組まれ、成果を上げてきた様々な交通需要マネジメント施策の内容や当該施策を進める上でのポイント等についてまとめられたものであります。
 本書が、第一線で交通渋滞対策に取り組んでおられる方々はもとより、交通渋滞の問題を身近な問題として関心を持っておられる方々に広く活用され、全国各地で渋滞緩和に対する取組みが進んでいくことを切望しています。 山本 正堯 (建設省 都市局長)
 わが国は、より成熟した「都市型社会」への転換期にあり、交通需要マネジメント(TDM)による移動経路、出発時間、交通機関選択などの交通行動の変更を通じて、渋滞などの都市交通問題の改善を進めています。TDMを効果的に実施するためには、需要調整という新たな概念の理解や多岐に渡る関係者間の調整など、様々な検討が必要ですが、現在までに日本各地において関係者のご尽力により、実施例が積み重ねられております。
 本書はこのような背景のもと、我が国におけるTDM施策の活用方策を、具体実務に携わる担当者が事例を用い説明したものであり、行政実務者のみならず研究者、市民の方々にも興味深い知見が盛り込まれており、真に意義の有るものです。今後、各地におけるTDMの推進と、より良いまちづくりのため、広く活用されることを期待いたします。

井上 啓一(建設省 道路局長)
 交通渋滞による損失は、年間12兆円、国民1人当たり約42時間にのぼっています。特に都市部での交通渋滞は深刻な問題となっています。
 交通渋滞を緩和するため、投資効果を踏まえながら順次道路整備を進めているところです。都市の道路整備は、コスト・土地利用等で制約が大きく、短期間の整備が難しいことから、各種交通機関の連携及び公共交通機関を支援するとともに、交通需要の調整・抑制策(TDM施策)が必要となっています。
 本書は、TDM施策に関係する各分野の専門家諸氏により執筆されたものであり、日頃よりTDM施策関係の業務に携わっている実務者にとって得がたい参考の書となるものです。


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