座談会 インターモーダルとITS(No.21)
情報公開とビジネスモデル4
○羽藤 例えば、アメリカだと大学に交通管制センターをつくろう。といったプロジェクトがあります。それはなぜ可能かというと、やはりデータの定義がきっちりはっきりオープンにされているからです。通信回線があるんだからCORBAとかでわりと簡単に実装できる。我々の研究というのは、実際の交通現象を見て確認してくプロセスが重要です。ほかの研究機関は自分のところに実験室を持っていて、そこでマウスをいじってDNA解析したりやっているンだけど、我々は何度も現場、要するに道路の脇まで実際に行かないとだめですよね。もしも,データの定義がされていれば、自分の研究室に実験室を持てるわけで,簡単に交通現象が確認できる。だけど,少なくとも我が国では今は難しいです。
○赤羽委員長 今まではそうはなっていないけど、これからそうなりますよ。
○羽藤 いつですか?
○赤羽委員長 来年初めぐらいじゃないですか。
○瀧澤 そういうふうに決まれば、我々も動きやすいんです。(笑)
○吉開 ただ、そのデータそのものがどう維持・管理されるのか、それからプライバシーをどう維持するかとか、その辺は、やはりきちっとした組織で管理しないといけないというのは、言わなくても多分、官の人たちだからやられるとは思いますけど。
○大口 先ほど本多さんが言われたように、結局その辺もある程度やりながら考えざるを得ない。余りだめだ、だめだと言っていたら何も始まらないので、今はどちらかというと、とにかくやってみよう、動いてみようという方向に社会が行きつつあります。
○赤羽委員長 とにかく何かやってみようというんですから、それはもう温かい目で見る、応援するべきですよ。
○中村 官だと税金だからデータはと言うけれども、民間の事業者だと、経緯は別としてもやはり自分たちの事業で持っているデータだから、公共性のあるサービスを独占的にやっているとはいえ、なかなか公開までいかないし、ましてやバスなんていうのは、もう競争になったら公共性がだんだん消えていきますから、なおさらなっていかないだろう。
実際に旧運輸省の実証実験事業として、東京のバス協会で13の事業者のダイヤを全部1つのホームページに載せるようにしたんですけれども、そのときに起きたのは、事業者によってはすべてのダイヤが手書きである。そういうレベルなんですよね。恐らく内部では電子的であっても、あるところでおかしくなっちゃうとかということは相変わらず起きている。
○赤羽委員長 そういう状況は、よくありますよね。
○中村 それで運輸省と言っていたのは、XMLで出せるように管理する事業者には少しインセンティブを、例えば補助金の出し方を変えるとか、インセンティブを与える。そういうやり方をしていくと、自然と揃ってくる。揃ってくれば、その後それをもとに試行段階でもリファレンスモデルをつくってみたいということは、きっと今の世の中ではおのずと進んでいくんだろう。だけど現実の公共交通は、そこに行くまでの動機づけの方がまだ課題が多いだろうと。でも、何か直観的には数年で変わる話だと……。ただ、そのときに、センスですよね。
○羽藤 それは集計されたデータですよね。
○中村 とりあえずはね。まず第1に。
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