座談会 インターモーダルとITS(No.30)
サイバーレイルとITS研究会2


○羽藤 サイバーレール研究会はオープンなんですか?

○荻野 サイバーレール研究会は、今つくろうと思っているんですけれども、いわゆるメールを出して申し込んでいただいて、それで、一応形式的にはチェックをするみたいな格好でやろうかと。具体的に出すか出さないかはまだ、会社なり所属している個人会員の考え方だと思うんですけどね。
 それと、僕が個人的に考えているのは、例えばメーカーさんならメーカーさんで、半分宣伝でも結構だと。だからデータのランクをいろいろ分けようかと思っているんです。これは宣伝の情報ですよ、これは論文的な情報ですよ、これは提案ですよ、何々の回答ですよ、そういうふうに分けておけば出すときも気楽に出せるでしょうし、読む方も、宣伝なら要らないとか、選択できるわけです。情報も、位置に関することなのか、アーキテクチャの基本的なことなのか、分類する必要があり、そこら辺をどうやってやっていけばいいかというのも議論しないといけないなと思っています。ですから最初は、どのように運営して行くかに関しても意見も一緒にもらわないといけないかなと思っているんです。我々がまず声をかけたところは、やっぱりどうしても鉄道に関係するところ、同じメーカーさんでも鉄道営業の方ですよね。だから、ちょっと違う血を入れるにはどうしたらいいかというのも本当は……。
 そういう意味で、共通というよりは、我々の方に無い感覚で議論していただければ、ありがたいとおもっています。
 インターネットにアクセスしている人たちが、結局は○○研究会のメーリングリストだろうが××研究会のメーリングリストだろうが、それはどちらでもよくて、結局、みんなが共通に議論が出来る環境が理想ですね。

○赤羽委員長 徐々に個人ベースの議論の輪を、あるいは情報収集の広げれば。

○荻野 そうですね。だから、あくまでも個人ベースだと。ただし、実態は背負っていただいても何しても構わない、そういうふうにやっていこうかなとは思っているんですよね。

○羽藤 サイバーレール研究会でサイバーレールをつくるんですか。違うんですか。いや、僕は何かリナックスみたいなイメージがあったから。個人個人が参加してオープンリソース開発してくみたいなことじゃないんですね。

○荻野 そこが非常に微妙なんですが、というよりは、実はサイバーレールという実体は余りないんですよね。具体的にどうしていけばいいのかというのは……

○羽藤 いや、そういうのないからいいなと思って。ないからいいんですよ。

○荻野 ええ、要はないんです。だから、ボーンと提案して「こうしたらどうか」となって、みんなが「それはいいじゃないか」と言ったら、リナックスとかインターネットですよ、まさに。「じゃあ、そういうふうにしようじゃないか」とか、例えば個人の位置というのはすごいプライバシーだ、これはどうするんだというさっきの議論も「いや、本人がいいと言えばいいじゃないか」とか「契約があればいいじゃないか」とか「ある程度ダーティなことに使われるかもしれないけれども、それだけ可能性のある情報なんだから、いつまでもそこを黙って覆い隠すわけにいかんだろう」という議論になって、そこにいる人たちが「やっぱりそうだな」ということになったら、それはそれで強い力ですよね。そういういろいろな分野の人たちが議論して「そうなんだよ」という議論があったら、それを持って、こういう連中はこんなことを思っていますよという提言もできるでしょうし、その中には当然、官の方もいらっしゃるわけですから、そこに対してのインプットにもなるわけですから。
 そういう意味では、サイバーレール、「レール」とついているのは、我々は鉄道だからということで「レール」とつけましたけれども、実態はインターモーダル輸送において、さっき吉開さんが言われたように、離れていっているリアルとバーチャルを結びたかったわけですね。これは離れてしまっちゃだめだから、くっつけないといけない。そのくっつけるようなことをするための情報インフラをつくる議論ができればなと。
 なるべく早くいろいろな議論ができて、そして、一番の理想は、先ほどの官じゃないんだけどアーキテクチャみたいなものができつつあって、権威も何もないけど、ひょっとするとこの部分は結構使えそうだから、何かどこかのサードパーティが使い始めたみたいなになったら理想的かもしれませんね。
 そして最終的には鉄道もハッピー、道路もハッピー、いろいろなところがハッピーになるというんですか。

○赤羽委員長 そうですね。そのスタンスはこの委員会も余り変わらないかもしれない。情報を発信して、だれかがそれに本気で取り組んでくれたらいいなとか、そういうことを決める立場にある人たちに我々の議論が伝わって何らかの形で生かしてもらったり、そういうことは期待しますね。

○荻野 ある人に、インターモーダルをやっている人はいっぱいいると言われたんですね。トータルで合わせるとたくさんいるかもしれませんけれども、個々の集まりは全部少数派だと。例えば、鉄道でインターモーダルなんてやっているのは今のところほとんどいませんし、道路の方も、主流ではないのかもしれません。僕は道路の方はよくわからないですけれども。自動車の方でもそういうことをやっている人がいらっしゃるらしいんですけど、そんなにいないとか、いっぱいあるんだけれども、それを集めているのはないじゃないか。だったらそこを集めるような何か。それで、今は本当にネットワークがあるわけですから。
 総研としては、では何のメリットがあってそういうことをやるんだということになるんですけれども、サイバーレールは総研の研究課題であり、それを共通で頑張っていって、いいものをつくる。実は鉄道会社でも同じようなことをやろうとしているんです。だけら、鉄道会社にもどんどんアイデアを出してくれとお願いしています。サイバーレール研究会で叩いてもらってオールジャパンになればいいじゃないかと。今のところ、ポコッと出すと、関係者だけでやっているのじゃないかということで批判される。しかるべき議論の後にやるというようなことになったら、やっぱり批判が違うと思うんですよね。だから、出すものを全部出してやっていくというようなベースができればなと思いまして。

○赤羽委員長 では、終了してよろしいでしょうか。どうもありがとうございました。
BBS投稿コーナー



Copywrited by Japan Society of Traffic Engineers