ITSのある生活(No.1)
ITSの重要性・可能性 /交通工学に対する各国での社会的認知度

○赤羽委員長
 それじゃ、始めましょう。よろしくお願いします。
 ITSの重要性や可能性が理解されるためには、交通と我々の社会・経済活動全体との関わりが再認識される必要があります。しかし、たとえば交通工学という学問分野は社会に認知されているでしょうか?おそらく認知度はかなり低いでしょう。なぜ低いのでしょうか?これはアジア的特徴でしょうか?欧米では交通工学はかなり認知されていて、たとえば土木工学とは明確に区別されているようです。また、たとえば米国では、移動することに対して,自由の象徴のひとつとして高い価値を認めているようです。少なくとも日本にはこの視点はないように思えます. 毎年モーターションが開催される幕張メッセが典型的な例かも知れません。モーターショーをやるのに、あの周辺で毎年渋滞が起こっています。私の大学は、その近くの津田沼にありまして、同じ湾岸習志野インターを利用しているのですが、モーターショー開催期間中はそこで降りられないのですよ。
 それから、新宿副都心を建設するときに、建物は一生懸命計画して設計しているのでしょうが、そこに用のある人、あるいはそこで必要とされる物資をどうやって運び込むかという問題は、いつも後回しなのです。それで、あそこに首都高の新宿のランプをどうやってつけるかとか、供用間際になって大騒ぎしていたようですね。あるいは今はうまく回っているみたいですけれども、たしか“摩天楼サービス”なる会社が共同集配送をあそこに取り入れて、小口でいろいろなトラックが入らなくとも済むようにするとか、そういうことで対応しているようです。
 何か日本というのは、物を運ぶとか人を移動させるということが、いろんな世の中の仕組みをつくるときに一番後回しで考えられるところがありますね。

○森川
 それで、ちょっと話の腰を折ってごめんなさい。
 この出だし、我々はこれでいいんですけれども、今回のゲストの3人の方々はそれぞれきょう初対面ですよね。
 いきなり話が、お互い何をやっているのか知らないというのもあれですから、3人にやっぱり今のところのテーマを含めながら2分から5分ぐらい、自己紹介を兼ねながら移動とか交通、暮らしとか、そういうことを含めながら、ちょっと順番にお話を伺いたい。

○赤羽委員長
 そうですね。「何を言っているんだかよくわからないので、ここを補足説明しろ」とかいうことでも結構です。では、三浦さんからお願いします。

○三浦
 三浦でございます。よろしくお願いいたします。
 唯一文科系といいますか、全く門外漢として呼んでいただいているので、どうしたらいいかよくわからないんですけれども、本業といいますか、マーケティングというのをやっておりまして、収入はそれで得ています。
 そういえば、会社の数からいうと自動車会社の仕事が一番多いというのが、この2年ほどの状況です。きょうも某車メーカーにレポートを送ってきたところですけれども、何と私は車の免許を持っていない。そういう人間がITSをやっていいんだろうかという感じがしますが、逆に、そういう人間には全く知られていないんだよということがわかってもらうのもいいのかもしれません。
 たまたま三菱総研におりましたのでITSの存在は知っておりますけれども、本当に「何ですか」と言われたら30字ぐらいでしか言えないような知識しかないのかなと思います。
 先ほど赤羽先生が「非常に狭い業界で」みたいなお話をされましたけれども、これは車業界も狭いですし、家電業界も、松下通信さんがいらっしゃるけれども通信業界も、それぞれの業界もやっぱり狭いんですね。
 ほかの業界の人となかなか会う機会がないということで、そういういろんな業界でお仕事をさせていただいている立場から何か発言して、役に立つのかどうかわかりませんが、たまにはこんな話も聞いていいかというようなことで、皆さんにも少しでもお役に立てればと思っております。
 それぐらいでよろしいですか。

○赤羽委員長
 ありがとうございます。それでは、続いて岡本さんにお願いします。
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