by Takashi Akamatsu Date: Sun, 04 Apr 1999 07:29:56
赤松@豊橋技術科学大学です(森川さんの質問への返事です).
一度発言しておけば,当分,ROM 役に徹していても文句言われない
だろうと思っていたのですが,甘かった... ボールが戻ってきて
しまいました...
ここ(二番目のパラグラフ)では, "素朴に考える限り" と書いたの
ですが,これは **学習行動,利用者の経験知識,ネットワーク構造等
の個別状況に依存した specific な条件を一切仮定せずに** "素朴に"
確率的な現象の"不確実性"を確率の定義に沿って考えればという意味
です.つまり,ある人Aにとって, 将来生じうる(どれが起こるかは,
予め全く判らない)事象の個数が増えれば, それは,Aの将来の "不
確実性"("無知の程度")が増加してしまっていることを意味します.
そして,Aの所要時間に影響を与えうる他の人々の行動パターンを注目
事象とした時に, **情報提供によって他の人の行動が全くの不確定事象
となれば** Aの遭遇しうる将来事象の個数は増え, "不確実性"が増え
てしまいます.で,所要時間に関する事象と上記の他人の行動パターン
に関する事象の間に1対1の対応関係があれば(例えば,Aが行きたい
経路への転向人数が1人増えた場合,2人増えた場合,...という各々
の事象に応じて,所要時間が変化する場合)所要時間に関する不確実性
も増加します.ただし,実際には, 上記2種の事象集合間の関係は,
ネットワーク構造条件等に依存するので,ここでは,"*ほぼ* 自明" と
いう曖昧な書き方になったのです.
クダクダと書きましたが,このパラグラフは,要は, "まず,何も条件
を特定しない単純化したケースで,素朴な論理だけで考えるとこうなる
けど,個別ケースに依存した specific な条件を加えたらどうなんの?"
という,議論を順を追って考えたいという次のパラグラフのための
"前振り"に過ぎないので,あまり深く追求しないでください...
(森川さん,舌足らずな文章のために, 休日出勤&余計な手間をとらせ
てしまって,すみません)