by Eiji HATO Date: Sun, 4 Apr 1999 15:27:52
羽藤@愛媛大です。
わたしも赤松さんとわたし(森川さんも?)の間に少し考え方の違い
を感じました。わたしと赤松さんの見方の違いは、交通行動モデラー
とネットワークモデラー(??)の違いによるものかもしれません。
わたしの議論は道路システムの総便益ということに重きを置いていま
せん。専ら交通情報が売れるのか否かということに第一の興味があり
ます。これは私が1年前まで自動車会社で交通情報会社は儲かるかな
んてことを考えていたからかも??情報購入行動に興味があります。た
だ、交通情報サービスは有料のサービスと無料のサービスがあり、ど
ういった情報が有料で、どういった情報が無料で提供されるべきなの
かといったサービスの仕分けを考えることは重要です。
その上では、道路ネットワークの総便益という議論が必要不可欠です。
無料の交通情報を流通させることがどの程度の便益を生むのか、ある
いは有料であってもマーケットが成立していれば、道路ネットワーク
の便益は向上するのかどうか。。
赤松さんご指摘のように議論の仕分けをすることで盛り上がりそうな
話題かと考えます。行動論とネットワーク論、交通需要パターン、ネ
ットワークトポロジー.....どういうとき情報が威力を発揮するのか?
例えば、前回のメールでも述べたように、交通情報の提供は利用割合
の増加とともに、ハンチング現象を招き、道路ネットワーク・システ
ム全体の便益が逆に低下することが知られています。
しかし、こうしたケースにおいても、情報提供の効果を維持すること
は情報の更新周期の短縮や、信号制御との一体的運用を行うことで可
能であることがシミュレーションアプローチに基づく研究で示されて
います。ここらあたりのハナシをもう少しケース毎に論点を絞って詰
めていくことはおもしろいと考えます。
◆赤松さんの質問への回答
>(*6) 細かな質問ですが, 羽藤さんが言われる "所要時間の精度"
>とは,……………?
まともに質問されると、ドキリとさせられますね。
私が考えたのは、ある時間において、所要時間情報が20分であると
いうメッセージが5分間提供されたとします。5分間の間に100台
の車がこのメッセージを獲得したとして、現実に彼らが体験したのは、
50台が20分、25台は15分、25台は25分であったとします。
こうした経験が日々繰り返されるなら、個々のドライバーは20分と
いうメッセージが、平均20分、±5分であることを認識するわけで
す。この±5分が情報の精度ということです。
このケースでは提供される情報と現実の期待値が等しいことを仮定し
て、道路ネットワーク・システムの所要時間の変動により精度が規定
されるということを考えていました。
赤松さんの質問に答えるなら、
実際の経験旅行時間と現在旅行時間の相違を確率変数と考えた時の期
待値の大きさということになるでしょうか。。
以上です。
追記:
松山では、サクラはいっきに満開に。
今日はこれから花見に行きます。
ではでは。