by Taka MORIKAWA Date: Mon, 5 Apr 1999 13:46:08
森川@名大です。
いやあ,ソメイヨシノと機を同じくして議論の方も一挙に花開いて
きましたね。別に発言している人が「サクラ」だと言っているので
はありません。羽藤管理人の積極的発言はサクラっぽいですが...
このあたりで「あっサクラ」さんにも発言いただきたいところです。
また「落花さかん」の情報が出る頃に,発言の方もぱったりと途絶
えないよう大家の方もがんばって環境を整えますのでよろしくご発
言をお願いします。
などと,またまたくだらないことばかり書きましたが,議論はパネ
リストの方に任せて,大家の役割はしょうもないことを書くことと
心得ていますのでご容赦を。
ここでちょっとこれまでの意見を整理させてください。
(1)混雑状態の定義と情報提供の仕方
- 交通工学上は混雑や渋滞の厳密な定義がある(大口さん,赤羽さん)→厳密な定義に関しては赤羽さんメール参照
- 情報提供の対象となる一般市民にはもう少し異なる感覚的定義がある(森川,桑原さん)
- 厳密な定義による渋滞の情報よりも,「遅れ時間」「渋滞通過時間」「所要時間」などの提供が落ち着くところか(大口さん,赤羽さん)
- 情報提供する際のメディアには限界があるので,混雑状態をどのようにデフォルメするかも重要なテーマ(桑原さん)
- 情報提供の技術は現在どのレベルにあるのか?精度は?動画は?(羽藤さん)
(2)混雑情報提供による個人の行動とシステム挙動の変化
- 情報提供により個人が直面するシステムの不確実性は増える(赤松さん)
- 提供情報を利用するドライバーが増えればハンチング現象を起こし,経路所要時間の分散が大きくなる(羽藤さん)
- 提供する所要時間予測の精度が悪ければ情報は利用されない(羽藤さん)
- 個人の行動はある程度予測できてもシステム挙動の予測はきわめて難しいことがある(情報提供がなくても)。情報提供があるともっと複雑なことになる(赤松さん)
- どのような場合にどのような所要時間変動があるのかなど,状況別でまず論じた方がよい(赤松さん)
(3)混雑情報提供の価値
- 利用者レベルの価値とネットワークシステムとしての価値を峻別すべき(赤松さん)
- 「渋滞通過時間情報」は「渋滞」という「刺激」の強度を表しており感覚的価値がある(羽藤さん)
- 「所要時間情報」は所要時間の短縮効果と不確実性の減少効果という理性的価値がある(羽藤さん)
- 交通情報の精度と,予期せぬ交通情報がどの程度起きているかが情報の価値の決め手となる(羽藤さん)
- それ以外にも「後悔・イライラ減少」などの心理的価値があり,既存の効用最大化モデルでは計測できない(森川,羽藤さん)
- 確実に効果がある場合,逆効果がある場合,全く不明な場合,などがありこれらはそれぞれがどんなときかを議論したい(赤松さん)
- 支払い意思額で効果は測れるのでは(羽藤さん,秀島さん)
- 現在の知識量によって価値が異なる(秀島さん)
- 価値は情報のWithとWithoutの比較で測れるのではないか。でもWithoutを定義することが意外と難しい(桑原さん)
- 交通情報提供会社は成り立つか?(羽藤さん)
(4)その他
- 混雑情報だけでなく,車線が先でどうなっているのかなど他にも提供して役に立ちそうな情報がある(秀島さん,桑原さん)
桑原さんじゃないけど「議論が早すぎてついていけない〜」状態で
完全に整理できませんでした。抜け落ちているポイントや趣旨が違
う点は,大家を助けると思ってどんどんおっしゃってください。
こりゃ大家稼業も楽でない,といううれしい悲鳴です。
意見の整理だけでは何ですので...(いろいろ発言したくてウズ
ウズしている大家)
ひとつだけ,赤松さん,羽藤さんに質問です。
利用者レベルでみた効果と道路システム全体での効果はどう違うの
でしょうか。というより道路システムの効果は,利用者個人の効果
を積み上げたものだと思うのですが。
PS 桑原さん,肉離れのほうお大事にしてください。寄る年波も
考えて,のんびりと花見の方がよかったのでは? でも貴重な「情
報提供」でしたので,今後このパネリストでこのようなことは生じ
ないと思います。十分なストレッチングと日頃からのトレーニングを!