桜が散る前に.....
by Yasuo Asakura Date: Tue, 6 Apr 1999 15:26:24
朝倉です.
私も桜が散る前に反応しておきたいので,たわごとを書きます.
皆さんが話題にされている「交通情報の価値」について,
小用のために廊下を往復した際に,考えました.
ここのところ,塩野七生の影響を色濃く受けているので,
こんな文章になりました.
情報というのは,もともと「秘密の話」をこそっと教える
から価値があるのであって,その意味では羽藤さんのいう
ところの「個人的価値」があれば十分な代物なんでしょう.
情報提供者は,少数の顧客を相手にしていても
彼らから十分な対価を引き出すことができれば,
商売が成り立つはずです.
大航海時代なら,新たな交易ルートの発見という「交通情報」
は,莫大な富をもたらしたでありましょう.
交通情報提供(株)も,その時代なら交通情報を特定の顧客
にのみ販売するだけでやっていけたはずです.
しかし,世界地図にGPSまで手にした我々にとっての交通情報は,
どうやらかなり違ったものであるらしい.
(少なくともこれまでの交通情報システムが想定していた)
「交通情報」は秘密の情報ではなく,
皆に教えることを前提とした情報であります.
むしろ「広告」と呼んだほうが適切かもしれません.
情報板によるものはもちろん,森川さんでさえ
車に登載しているVICSでも「広く伝えること」
を狙いとする意味では同じであります.
Public Messageであるからこそ,個人の利得からの評価に加えて
赤松さんがいうところの「情報のシステム的価値」を議論する
必要が生じるわけです.
システム的価値を計測しようとする場合に
難しい問題は,「情報(というかmessage)の多様性」であります.
現在の交通情報システムは,利用者の皆さんに同じメッセージを
伝えていますが,情報提供会社が介在するとそうはならないでしょう.
個人単位でメッセージに付加価値をつけないと,交通情報だけでは
商売にならないだろうから,システムを利用する皆さんは微妙に
異なった交通情報を持つことになるはずです.これをシステム的に
評価するのはかなり難しいですね.
一神教的世界(the UE world)に住んでいた私(達)は,
ヒンズー的世界(the behavioural world)で生き延びられるのだろうか?
愛媛大学TSUは,その意味では神仏混交の宗教世界であります.
PS 桑原さん,お御足をお大事に.ちなみに,某国のplayerで,
ギプスをはめてswingした結果,「これだっ」というのが
わかった人がいるそうです.右足を流さない....