あーあ,桜が・・・

by Atsushi.Sekine Date: Mon, 12 Apr 1999 14:36:19

関根@東京都土木技術研究所です。

桜も散り始めてしまいましたね。今年は,花見をする時間がなくてちょっと寂しい状態ですが・・・シクシク。桜満開のころの議論は,桜の花の短い寿命を謳歌するように活発で,しかもHigherSpeedだったので驚いています。スペシャルセッションは熊本???

自己紹介をしますと,私は日本の1地方の行政に携わっているものです。仕事でITSを扱っているわけではありませんが,勉強のためにForumに参加させていただいています。内心,行政とは点線ぐらいは引きたいと思っているのですが・・・。

私の,交通情報の価値などについての私見を話します。もう既に議論されていて,「カメじゃないの」って言われそうですが・・・。 交通情報の価値は,やはり利用者層によって異なってくるんじゃないかと思います。例えば利用者層を,
(1) 集配などで日常的に車を使っている
(2) たまたま行ったことがない目的地にある時間までに行かねばならない
などとすると,(1) の層は,おそらくODペア多数で時間制約を持つトリップをするでしょう。もちろん日常的に車を利用しているのですから,どこがいつも混んでいてどこを通っていけばあそこには早く着けるなどなどの認知地図情報と経験情報を持っている。

これに対して(2)の層は,道には不案内だけど道路地図で確認した。目的地までの時間は大体?時間だろうと予想をたてて出発するでしょう。道に不案内だから選んだ道が混んでいても迂回するなんてリスキーなことはしたくない。(よく知らない所に行くのにナビを見ながら運転なんてしない,道路地図をみる,と思うのですが,古いかなー?)

トリップはある面で自己実現的な行為だと思います。「ヤバー,遅れた」ときのペナルティー(不確実性とも言えるかなー?)が異なっていたとしても,自分の持ち得る情報で,このペナルティーを補えるように行動すると思います。両者の違いは,極論して,道を知っているかと経験だと思います。この経験とか認知を補え得るか,補うに価する価値を認めるかどうかで交通情報の価値が異なってくるのではないかと思います。ユニバーサルな交通情報は?というのがこの辺にあるのではないかと思います。

当然,情報の精度は問題です。しかし,今現在の交通情報(市場)では,消費者がこの情報価値(精度)を判断する手がかりがないと思います。旅行時間情報の精度に応じた価格が付けられれば別です。ただ,交通情報には多かれ少なかれノイズがあるので,交通情報の評価を下すのは難しいようですが・・・。

ところで,織田さんから,"ハンチング現象をフィールドデータで示されたものはなく,いまだに,「存在するのか」という疑問符がついております."というご意見を伺いました。マクロな現象として顕在化していないけど,もしかしたらある特定の利用者層はそのように振るまっているかもしれないなーと,ふと思いました。ある特定区間のOD別利用割合と提供情報の形態の関係のダイナミックな変化は確認の必要性があると思います。(もし,既に知見が得られているなら申し訳ありません。勉強不足です。)もし,このような現象が認められるなら,その行動主体は,その情報の価値を,"信じている"という意味で認めているのではないかと思います。

春の嵐を眺めながらkeyを叩いているので,頭の中まで嵐みたいにmess状態で す。今日はこのくらいにします。

Postscript:交通情報(ITS関連)は,今のところ所有者が限られるという意味で非対称的です。また,その供給者も,市場でのその精度を保証できないという意味でこれまた非対称的(不完全性)です。このような構造下の市場はどうなるのか,非常に興味のあるところです。

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