by Terry ODA Date: Mon, 12 Apr 1999 14:37:56
織田@松下通信です.
花粉も気にならなくなったと思ったら,4月を10日もまわっておりました.まだま
だ,昨年度の残作業に追われ,一方で,今年度の取り組みキックオフをせねばならず
,4月は毎年こんな時期であります.とにかく,夜は飲み会が多くて...
申し遅れましたが,小生,一般道路の交通管制システムの構築に携わっております.
思えば,入社して,ずーっと交通管制でして,気がつけば,いつのまにか20年近く
が経過してしまいました.入社当時,交通管制システムといえば,交通信号制御がす
べてであり,これを抜きには交通管制を語れないという状況にありました.1980年代
後半,情報化に重点が置かれ,情報板,路側ラジオが,さらに旅行時間がキーワード
になると,AVIもボチボチ整備されはじめました.その後,電話,FAXによる交通
情報サービス,最近では,VICSに代表されるように,通信技術を活用し,ドライ
バー個々への情報提供も交通管制で大きな比重を占めるようになりました.交通管制
センターでは,車載機から光ビーコンを通じたアップリンクも日を追うごとに増え,
「OD情報を活用した交通管制も・・・」と思う毎日であります.つい,5,6年前に光ビ
ーコンが整備されはじめたばかりで,地元の神奈川県内でもはや2000ほど.世の中,
ずいぶん変わったなと思います.
出だしがずいぶん長くなってしまいましたが,こんな経緯で,メーカの立場として
インフラ整備に関わっております.今回,議論に加わるタイミングをついつい逸して
しまいまして,ここやらで適当に割り込ませていただきます.
さて,これから投げかけるものは,(一般道路において)「情報提供によるハンチ
ング現象は実フィールドで果たして存在するのか」という素朴な疑問です.いろいろ
な書物,文献を通じ,または,シミュレーション上,さらに,日常的にもそのような
話をしばしば耳にするのですが,小生の知る限り(単なる勉強不足です),ハンチン
グ現象をフィールドデータで示されたものはなく,いまだに,「存在するのか」とい
う疑問符がついております.これは,入社以来,ずーっと気になる話題です.さきに
持論を申し上げると,「明らかにハンチングと認められる現象は,実フィールドでは
まず,起こらない」ということです.その理由は以下の通りです.これらは地域特性
にもよりますが.
・走行中のドライバーの属性は同一ではない.すなわち,一般ドライバー(道路事情
に詳しい,または,全く知らないなど),プロドライバー(タクシー,トラック等)
,などなど
・ドライバーの置かれている心理的状況,トリップ目的などは同一ではない.ITS
自主研究会に間に合うかどうか焦っている人,間に合わないとあきらめて走っている
人,恋人とデート中の人,仕事中の人(物流など),緊急走行などなど
ドライバーを取り上げても,上記のようにさまざまです.したがって,経路案内(
たとえばA道路50分,B道路40分)をしても,全体においてそれに従って行動するド
ライバーはきわめて少ないと考えます.とくに,プロ,または道路事情に詳しい ドラ
イバーの経路変更は,明らかに旅行時間差がある場合に限ります.明らかに旅行 時間
差がある場合とは,重大事故,災害などで通行不能,またはそれに準ずる場合です.
旅行時間差がそれほどない場合は,そのまま走行するのが常であります.道路事情を
知らないドライバーが情報提供に応じて行動することは,感覚的に理解できますが,
フィールドでは,さまざまなドライバーがいろいろな状態で運転しております.イン
フラサイドでも,情報提供をすることによって,ハンチングが頻繁に起こるようでは
パニック.
交通データをみて不思議な点は,我々が感覚的に思っている(?)ほど,極端な交
通の偏りはない,さらにギッタンバッコン的変動はない,ということです.神の見え
ざる手でしょうか.例えば,5,6年前に大阪ー京都間(路線は定かではない)での
3路線について,AVIを整備して旅行時間提供したのですが,明らかに旅行時間差
があるケースはなかったような記憶があります. (余談ですが,最近の顕著な交通需要変動の筆頭は,大型店舗の進出によるもので
す)
最後に,ハンチング現象が起こり得る唯一の状況は「緊急を要する重大災害発生時
,すなわちパニック時」であると思います.それは,ドライバーの置かれている心理
的状況が同一になることという理由です.
以上,まとまりのないことを書きました.(キー入力が遅く,時間がかかりました)
これまでの議論の継続的なメイルとなってませんがご容赦下さい。
以上