4 高度なサービスのキーワードはS・A・M・N

○倉沢  携帯電話は,必要なサービスを受けるためにまさに洗練されたインターフェースの開発を進めてきたと思います.もちろん携帯電話のインターフェースにはまだ改善の余地があって,今は幼稚なものだと思います.i-modeメールを打つのに何故あれだけ沢山のボタンを押さなければいけないのか,でもキーボードを打ったことのない人たちにとってはいいのでしょう.今までいわゆるインターネットのビジネスやeコマースなどを享受してきた人たちは基本的にパソコン利用者で,その人たちは情報を受け取ることに対して本来能力のある人たちです(私は大量の受信をしても混乱しない人たちという程度に捉えています).彼ら=情報リテラシーの高い人たち=パソコン利用者=インターネットのお客さん,となっているのですが,携帯電話のi-modeなどのヘビーユーザーは,彼ら以外の人たちが半分ぐらいるのです.
 おそらく携帯電話も使い勝手が良くなり,移動しながら大量の情報をいろいろな方法で処理できるようになると,これは非常にITSのインターフェースに近いと思います.「欲しい」情報を探してくれる検索Search,検索しているうちに言われなくても出してくれるAgent,要約された最小限の情報,これだけを知りたいというものを気を利かせて出してくれるMinimize,その情報にかかわる行動をするために案内・誘導してくれるNavigate,という機能が,携帯電話やカーナビなどITSにかかわるマルチメディアコンテンツの目指す道であろうと思っています.つまりキーワードは,Search, Agent, Minimize, Navigate(S,A,M,N)なのです.そこでは,情報量の多さが問題ではなく,要するに気が利いているかどうか,と利用者がこれにいくらのお賽銭を投げるかを,感覚として供給者側がきちんとわからないといけないということです.

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