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■第28回交通工学研究発表会報告
1.開催概要
            日 時:平成20年11月13日(木)〜11月14日(金)
            会 場:東京都千代田区 「砂防会館別館会議室」
            発表件数:81編
            聴講者数:約350名
2.セッション名及び座長・副座長は次のとおりである。
  (1)「事故・安全(1)」 座 長:上坂 克巳(国土技術政策総合研究所)
副座長:清水 哲夫(東京大学)
  (2)「交通制御、交通規制」 座 長:赤羽 弘和(千葉工業大学)
副座長:児玉 和彦(警視庁)
  (3)「事故・安全(2)」 座 長:石川 博敏(科学警察研究所)
副座長:飯田 克弘(大阪大学)
  (4)「交通流、交通容量」 座 長:松井 寛(名城大学)
副座長:森 健二(科学警察研究所)
  (5)「交通情報提供」 座 長:森津 秀夫(流通科学大学)
副座長:山村 義雄(東日本高速道路(株))
  (6)「公共交通、生活交通」 座 長:山中 英生(徳島大学)
副座長:秋元 伸裕((財)計量計画研究所)
  (7)「道路の計画・評価」 座 長:桑原 雅夫(東京大学)
副座長:佐藤 光(パシフィックコンサルタンツ(株))
  (8)「データの取得と活用、ITS」 座 長:中村 英樹(名古屋大学)
副座長:錦戸 綾子(首都高速道路(株))
  (9)「交通計画(1)」 座 長:石田 東生(筑波大学)
副座長:淡中 泰雄(国土交通省 都市・地域整備局)
  (10)「交通計画(2)」 座 長:高山 純一(金沢大学)
副座長:宇野 伸宏(京都大学)
  (11)「交通行動・意識分析」 座 長:日野 泰雄(大阪市立大学)
副座長:塚井 誠人(広島大学)
  (12)「自転車交通、移動制約者の交通」 座 長:金 利昭(茨城大学)
副座長:大脇 鉄也(国土技術政策総合研究所)
3.研究奨励賞(2編)および安全の泉賞(1編)   〇は発表者、論文番号順
  <研究奨励賞> <安全の泉賞>
(19)「二輪車の走行特性と道路幅員に着目した交通事故対策効果の分析」(実務論文)

濱本 敬治 (国土交通省 近畿地方整備局 近畿幹線道路調査事務所)
  村山 次男 ((株)東京建設コンサルタント)
研究要旨

 滋賀県大津市域の国道1号は慢性的な交通渋滞区間であり、二輪車交通量の大幅な増加に伴い、二輪車の側方すり抜けによる事故の潜在的な危険性が指摘されている。

  本研究においては、二輪車(バイク等)の事故対策として、二輪車の走行特性と既設道路幅員構成に着目し、二輪車のすり抜け走行空間の縮小による幅員構成の変更効果について、事故データの分析に加え、ビデオ画像を用いた二輪車の詳細な交通挙動の分析により、これまで解明されていなかった当該区間の二輪車の走行特性と事故原因を解明するとともに、対策前後の比較結果と利用者の意識の変化から二輪車事故防止対策の有効性を示した。

  現時点では全体事故件数が約56%、二輪車が関与する左折時事故件数が約52%、右折時事故件数が約72%減少し、事故発生頻度の高い時間帯に30km/h以上で走行する二輪車の割合が対策前の約80%に対し、対策後では約29%に減少しており、大幅な速度の低下が確認され、良好な改善効果が得られた。

 
  <研究奨励賞>
(24)「左折車と歩行者の交錯現象を考慮した交通容量解析手法の提案」(研究論文)

松本 卓也 (横浜市役所)
  鹿田 成則 (首都大学東京)
  岩崎 征人 (前 武蔵工業大学)
研究要旨
 都心部街路における交通渋滞は信号交差点を隘路として生じており、交通渋滞対策の第1段階として、交差点流入部の交通容量を精度良く求めることが重要である。ことに最外側車線(流入部の最左側の車線、本研究では直左混用車線を対象)では、左折車と横断歩行者等の交錯による後続車の中断や、路上駐車車両による最外側車線の利用の低下がおき、交通容量の主要な変動要因となっている。しかし最外側車線における交通容量解析は、後続車の流出の中断があっても一様に車が流出する飽和流として交通容量解析がなされ、便宜的に飽和交通流率を算定しているのが現状である。

 本研究では、最外側車線における左折車と横断歩行者等との交錯現象を考慮した交通容量解析手法の提案を目的として、既往の研究で提案された最外側車線流出流率モデルに改良を施し、そのモデル推定値を最外側車線の交通容量の実測値によって検証し、わが国の最外側車線における交通容量解析手法として導入可能かどうか検討した。



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