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■第39回交通工学研究発表会
1.開催概要
            日 時:2019年8月6日(火)〜7日(水)
            会 場:東京都千代田区 「日本大学理工学部駿河台キャンパス1号館」
            発表件数:123編
            聴講者数:約540名
開催のお知らせ及びプログラム
2.セッション名及び座長・副座長は次のとおりである。
  1.歩行者・自転車交通(1)  座 長:小林 寛(国土技術政策総合研究所)
 副座長:橋本 成仁(岡山大学)
  2.歩行者・自転車交通(2)  座 長:蓮花 一己(帝塚山大学)
 副座長:浪川 和大(警視庁)
  3.交通安全(1)  座 長:山中 英生(徳島大学)
 副座長:市川 昌(兜ミ平新日本技研)
  4.交通安全(2)  座 長:田久保 宣晃(科学警察研究所)
 副座長:吉田 長裕(大阪市立大学)
  5.交通行動分析  座 長:兵藤 哲朗(東京海洋大学)
 副座長:吉田 樹(福島大学)
  6.交通需要  座 長:内田 敬(大阪市立大学)
 副座長:関本 義秀(東京大学)
  7.交通流(1)  座 長:藤田 素弘(名古屋工業大学)
 副座長:塩見 康博(立命館大学)
  8.交通流(2)  座 長:朝倉 康夫(東京工業大学)
 副座長:柳沼 秀樹(東京理科大学)
  9.交通データの応用  座 長:森川 高行(名古屋大学)
 副座長:森尾 淳((一財)計量計画研究所)
  10.道路計画・道路構造  座 長:横地 和彦(国土技術政策総合研究所)
 副座長:神田 佑亮(呉工業高等専門学校)
  11.公共交通  座 長:高山 純一(金沢大学)
 副座長:児島 正之(叶迹纉cコンサルタント)
  12.都市交通計画  座 長:喜多 秀行(神戸大学)
 副座長:松村 知樹(国土交通省都市局)
  13.交通運用・路面表示  座 長:中村 英樹(名古屋大学)
 副座長:河本 一郎(阪神高速道路梶j
  14.交通容量・サービス水準  座 長:赤羽 弘和(千葉工業大学)
 副座長:邢 健(轄qャ道路総合技術研究所)
  15.運転者認知・挙動(1)  座 長:萩原 亨(北海道大学)
 副座長:小島 朋己(首都高速道路梶j
  16.運転者認知・挙動(2)  座 長:小根山 裕之(首都大学東京)
 副座長:多田 昌裕(近畿大学)
3.座長・副座長総括報告
4.研究奨励賞(3件)及び安全の泉賞(1件)      (〇は発表者、論文番号順)
  <研究奨励賞>
  論文番号73.「バラ図と円周分布のパラメータを用いた駅周辺道路網の類型化」(研究論文)
長崎 滉大 東京工業大学
  中西 航 東京工業大学
  朝倉 康夫 東京工業大学
研究要旨

 駅周辺の道路網は駅自体の利便性などの特徴に大きく関係することが予想できる.しかし,道路網の評価をする際,特定の都市施設周辺に焦点を当て,各道路の実延長や偏角などから分析と類型化を行う研究はほとんど存在しない.そこで本研究では,角度データを扱う方向統計学を用いた新たな道路網の評価手法を構築した.まず,駅周辺の各道路の偏角に着目したグラフ(バラ図)を作成した.次に,偏角の確率分布(円周分布)のパラメータを推定し,道路網を評価する指標を考案した.この指標を用いて東急東横線の各駅を分類し,既存の指標との違いを示した.偏角の四方向への集中度を表現できるという提案手法の一定程度の有用性を示すとともに,今後の展望を整理した.

  <研究奨励賞>
  論文番号76.「信号交差点密度を考慮した道路事業便益の算出手法」(研究論文)
柿元 祐史 名古屋大学
  中村 英樹 名古屋大学
研究要旨

 道路事業を進めるにあたっては、費用便益分析により事業実施の妥当性を評価している。その際、道路種別に応じた交通量-旅行速度(Q-V)式を用いて交通量配分を行っているが、平面交差部の立体化等の道路事業では交通量に変化がなければ推定される旅行速度に感度がなく、事業の効果を適切に反映できていない。本論文では、交通流シミュレータを用いて信号交差点密度がQ-V式の自由速度に与える影響を分析し、求めた自由速度を用いて、平面交差部の立体化に感度を有する便益算出手法を提案した。その結果、Q-V式の自由速度は、信号交差点密度、青時間比、希望速度に応じて変化することを確認した。そして、1OD 2経路の簡易ネットワークを用いて、信号交差密度に応じた自由速度を用いる新しい手法で道路事業の三便益を算出し、従来手法との便益差により新しい手法の効果を明らかにした。

  <研究奨励賞>
  論文番号82.「地方部における乗用タクシーの定額制サービス導入可能性の検討 −福島県南相馬市のケーススタディ−」(研究論文)
吉田 樹 福島大学
研究要旨

 高齢化や人口減少に直面するわが国では,自家用車の保有に代わるモビリティの選択肢が求められている。こうしたなか,MaaS(Mobility-as-a-Service)構築への期待が高まり,公共交通への定額制サービスの導入が注目されているが,乗用タクシーの運賃は,時間距離併用制を採用しており,同一区間であっても運賃の不確実性があるため,定額制サービスの導入には,鉄道や路線バスなど,他の公共交通とは異なる課題を有している。そこで,本研究では,曜日や時間帯,乗降可能な地点を限定した乗用タクシーの定額制サービスを導入している福島県南相馬市「みなタク」の配車データを用いて,乗用タクシーの需要関数を推定し,定額制サービスの導入によるタクシー利用頻度向上の可能性を示すとともに,乗用タクシーを地方部のMaaS に組み込む際の論点を明らかにした。

  <安全の泉賞>
  論文番号121.「訪日外国人ドライバーの急制動箇所と道路交通環境の関係」(研究論文)
山中 亮 琉球大学
  神谷 大介 琉球大学
  比嘉 健人 那覇市
  和田 賢哉 内閣府沖縄総合事務局
  具志堅 清一 内閣府沖縄総合事務局
  澤部 純浩 (株)長大
研究要旨
 近年,訪日外国人の増加とともに,レンタカーを利用した観光地周遊も増加している.その結果,日本の交通ルールに不慣れな,訪日外国人のレンタカー事故が急増している.しかしながら,この原因が特定できていないため,具体的な対策に結びついていない.
 本研究では,沖縄本島を対象としてETC2.0 プローブデータを用いて,日本人及び訪日外国人レンタカー利用者の急制動発生箇所を比較し,訪日外国人ドライバーにとって危険な区間を特定した.この区間の道路交通環境を比較し,訪日外国人ドライバーによる急制動と道路交通環境の関係を明らかにした.
   


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