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■第38回交通工学研究発表会
1.開催概要
            日 時:平成30年8月7日(火)〜8日(水)
            会 場:東京都千代田区 「日本大学理工学部駿河台キャンパス1号館」
            発表件数:116編
            聴講者数:約520名
開催のお知らせ及びプログラム
2.セッション名及び座長・副座長は次のとおりである。
  1.交通安全(1) 座 長:森本 章倫(早稲田大学)
副座長:田中 義宗(警視庁)
  2.交通安全(2) 座 長:萩原 亨(北海道大学)
副座長:大榎 謙(国土交通省道路局)
  3.生活道路 座 長:田久保 宣晃(科学警察研究所)
副座長:小川 圭一(立命館大学)
  4.高齢ドライバー 座 長:久保田 尚(埼玉大学)
副座長:森尾 淳((一財)計量計画研究所)
  5.交通流 座 長:大口 敬(東京大学)
副座長:邢 健(轄qャ道路総合技術研究所)
  6.歩行者交通 座 長:屋井 鉄雄(東京工業大学)
副座長:鈴木 弘司(名古屋工業大学)
  7.情報提供・運転支援 座 長:内田 敬(大阪市立大学)
副座長:河本 一郎(阪神高速道路)
  8.運転者認知・挙動 座 長:中村 英樹(名古屋大学)
副座長:川野 祥弘(首都高速道路)
  9.道路構造・維持管理 座 長:瀬戸下 伸介(国土技術政策総合研究所)
副座長:梶田 佳孝(東海大学)
  10.公共交通 座 長:山中 英生(徳島大学)
副座長:吉田 樹(福島大学)
  11.交通データの応用 座 長:清水 哲夫(首都大学東京)
副座長:井ノ口 弘昭(関西大学)
  12.都市交通計画 座 長:原田 昇(東京大学)
副座長:猪井 博登(富山大学)
  13.交通行動分析・交通需要(1) 座 長:中村 文彦(横浜国立大学)
副座長:吉岡 正人(中央復建コンサルタンツ)
  14.交通行動分析・交通需要(2) 座 長:奥村 誠(東北大学)
副座長:篠崎 毅(パシフィックコンサルタンツ)
  15.交通容量・サービス水準 座 長:小根山 裕之(首都大学東京)
副座長:倉内 慎也(愛媛大学)
  16.自転車交通 座 長:小林 寛(国土技術政策総合研究所)
副座長:嶋田 喜昭(大同大学)
3.座長・副座長総括報告
4.研究奨励賞(3件)及び安全の泉賞(1件)      (〇は発表者、論文番号順)
  <研究奨励賞>
  論文番号15.「視覚的逆走対策によるMCIを含む高齢者の逆走への気づきやすさのCG動画を用いた評価」(研究論文)
長尾 朋紀 東京大学
  二瓶 美里 東京大学
  鎌田 実 東京大学
  玉井 顯 敦賀温泉病院
  永見 豊 拓殖大学
  中川 浩 東日本高速道路(株)
  塩田 裕也 東日本高速道路(株)
  松下 健介 (株)ネクスコ東日本エンジニアリング
研究要旨

 日本の高速道路において逆走事案は年約200件程度発生しており、これらを防止するために矢印標示等の逆走対策が実施されている。しかし対策導入後も逆走事案は依然発生しており、逆走対策の効果を検証する必要がある。逆走発生者の7割以上が高齢者であり、その中には認知機能の低下の疑いがある人も含まれている。本論文では、逆走再現CG動画を用いて逆走に気づくか否かを測定することで、MCI有病者への視覚的逆走対策の効果を検証した。その結果、健常高齢者と比較してMCI有病者にとってPA入路部における矢印標示は同等の効果があること、IC出路部における進入禁止標識・矢印標示は効果が小さいが、進入禁止文字看板を加えることで効果が大きくなることが分かった。一方で逆走対策を見ていながら逆走に気づくことができなかった実験参加者も存在した。

  <研究奨励賞>
  論文番号94.「エージェントベースシミュレーションを用いた自動運転車普及シナリオの評価」(研究論文)
上条 陽 東京大学
  トロンコソ パラディ ジアンカルロス 東京大学
  見 淳史 東京大学
  原田 昇 東京大学
研究要旨

 本研究は,自家用自動運転車(AV),カーシェアAV,ライドシェアAVの3種の交通手段に関する普及シナリオを設定し,それらが都市交通にもたらす影響を分析するものである。具体的には,群馬県北部の沼田市と利根郡周辺を対象地域とし,時空間詳細度の高い平成27・28年度群馬県パーソントリップ調査のデータを用いて交通手段選択モデルを推定した。推定されたモデル,道路ネットワーク,パーソントリップ調査から作成した人々の1日のスケジュールを用いてエージェントベースシミュレーションにて分析した。その結果,車依存度の高い地方都市においても自動運転車のシェアリングによる総走行距離の増加,車両台数の削減,道路混雑の緩和が確認された。

  <研究奨励賞>
  論文番号106.「自動運転車両の混在が信号交差点交通容量に与える影響に関する分析」(研究論文)
  鰐部 万磨 元:名古屋大学
柿元 祐史 名古屋大学
  中村 英樹 名古屋大学
  井料 美帆 名古屋大学
研究要旨

 近年、運転支援システムが実用化され始め、自動運転システムによる安全性や円滑性の向上に期待が高まってきている。しかしながら、自動運転車の普及段階においては、必ずしもこれらの期待が実現するとは限らない。特に、信号交差点においては、車両が複雑に干渉しあうため、自動運転車の挙動パラメータの設定次第で円滑性に影響が出ることが懸念される。そこで本論文では、自動運転車の挙動パラメータ設定が信号交差点の直進車線の交通容量に与える影響をシミュレーションとモデル式を用いて分析し、自動運転車のパラメータと混入率を考慮した交通容量を算定した。その結果、自動運転車が普及することで信号のサイクル長を短くできることが明らかになった一方で、自動運転車のパラメータを慎重な設定にすることで、円滑性が低下する可能性が示唆された。

  <安全の泉賞>
  論文番号4.「中学生のためのミラーリング自転車安全教育プログラムの効果測定」(研究論文)
菊池 輝 東北工業大学
  小川 和久 東北工業大学
  只野 健一 中野建設コンサルタント(株)
研究要旨

 自転車事故死傷者数に占める中高生の割合は高く,初等中等教育における交通安全教育は全国的に展開されているが,事故件数の減少には至ってない。本研究では,効果的な教育法の一つとしてミラーリング法に着目し,宮城県内の中学校にて教育プログラムを実践するとともに,その効果を測定した。測定項目は,交通安全に対する意識の変化をアンケート調査から,また安全確認行動の実践有無をビデオ撮影からデータ化した。結果,教育を行った実験群は意識面において,メタ認知能力の向上や行動意図の活性化が確認された。また確認行動の実践率は,教育実施直後に大きく向上したものの,4ヶ月後には減少していた。しかし4ヶ月後の実践率も,教育前よりは高い水準にあり,ミラーリング・プログラムが長期的な効果を期待できる手法であることを示した。

   


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